学生寮看板の修復

43年という長きにわたって多くの寮生を送り出してきた大学の寮が長い歴史の幕を閉じました。寮生を見つめ続けてきた看板を残していきたい。新設される記念館に展示すべく、保存修復のお手伝いをさせていただきました。長年しみついた汚れや掃除の際に消えかかった文字、設置の際の痕などを現状を保存しながらの修復。新しくきれいにするのではなく、歴史の重みを感じながら表情を整えていきます。現状を押さえるベースコーティングを施し、文字ひとつひとつを加筆修正、設置痕の色合わせなどのあとに表面を保護するコーティングで完成です。仕上げ段階に、最も艶のない上塗りを採用したところ文字のコントラストが弱いように感じました。スタッフと相談しながら艶の具合を上げていき、7分艶ありで最終決定。実際に展示される高さ、位置、角度を想定して見栄えする表情に仕上がりました。今回、担当したスタッフは細密画の作家としても活躍中、彼女の腕前が思う存分発揮できるお手伝いでした。