大学時代はプロダクトデザインを専攻していましたが、才能や情熱あふれる仲間と過ごす中で「私はこういう人たちの後方支援をする仕事に就きたい」と思うように。そして、当時アルバイトをしていた日本デザイン振興会での仕事を通じてニシザキ工芸の存在を知り、興味を持ちました。
「どういう会社なんだろう」・・・導かれるようにインターンシップに参加し、独自の塗装技術を強みに、建築のプロフェッショナルに貢献していくものづくりに共感。家具製作の知識はほとんどありませんでしたが、塗装職人として入社することを決めたのです。
ニシザキ工芸の家具塗装は、お客様の希望イメージにぴったりと合う色・艶・質感を実現できるのが特長。といっても、タモ、カバ、チークなど、個性の異なる天然木と向き合う仕事ゆえ、職人が一人前になるまでには年単位の経験を要します。私は入社後、奥の深いこの家具塗装の世界に夢中になり、懸命に技術を身につけました。
多くの工程の中で、特に難しいのは塗料の調合です。木地の色や発色具合を勘案し、目的の色を探っていくのですが、これがなかなかうまくいきません。毎回、上司にアドバイスをもらいながら、地道にトライ&エラーを繰り返します。だからこそ、担当した製品が納品される時の喜びや達成感は格別で、それまでの苦労も一瞬で吹き飛びます。
ニシザキ工芸は社内の風通しがよく、コミュニケーションも活発。私もわからないこと、もっと知りたいことがあると、上司や先輩に質問するのですが、どんなに忙しくても手を止めて温かく教えてもらえるので、安心して仕事を進めることができます。
入社5年目の今、塗装職人としての成熟度を山登りで例えたら、3合目くらいでしょうか。当然ですが、先輩方の熟練した職人技にはまだまだ及びません。これから技術と経験を積み上げるのはもちろんのこと、感性レベルも磨いていって、いつか社内で認めてもらえる存在になるのが目標です。