子どもの頃から手を動かしてモノを作るのが大好きだった私は、高校卒業後、木工家具の知識や技術を広く学べる専門学校に進みました。入学時は漠然としていた将来の夢が明確になったのは、授業の一環で家具塗装の現場を見学したことがきっかけです。施す前後で、見た目の印象も品質もガラリと変わる塗装のおもしろさにふれ、「やってみたい!」と直感。塗装職人を志しました。
ニシザキ工芸を選んだのは、インターンシップに参加して家具塗装技術の高さを実感したことが大きいのですが、東京都内に塗装専門工場があって通勤に便利なことや、職場環境がクリーンで快適なことも、魅力を感じた点です。
入社後、木材の目止めに始まり、研ぎ、下塗り、上塗り、表面磨きと、一連の作業を少しずつ習得していきました。家具塗装は、材種の個性やその日の気温・湿度などの影響を受けやすく、狙った色・質感がなかなか出なかったり、うまくいったはずのサンプル制作時と条件を変えなければならなくなったりといったことも少なくありません。一筋縄ではいかないその難しさの中に、長年受け継がれてきた技術・ノウハウが多く詰まっているので、入社3年目の今も先輩方に教わりながら奮闘する毎日です。
少し分かってきた、できるようになってきたと思ったら、次の壁にぶつかり、またそれを乗り越えるということの繰り返し。でも、自分の携わった仕事がニシザキ工芸の信頼につながっている実感と、案件ごとにスキルアップしていく手応えがモチベーションになっています。
働いてみて感じるニシザキ工芸のいいところは、人の温かさです。江戸指物にルーツを持つ長い歴史や、ハイレベルな案件を扱う事業特性から、入社前は少し堅いイメージを抱いていましたが、実際は和やかな雰囲気。また、「オンオフのメリハリを付けて働こう」という考え方が社内に浸透しているので、ワークライフバランスを自然に実践できます。
木工塗装の国家資格を持つ人や、コンクールで上位入賞する人など、身近に目標となる先輩方がたくさんいるのも心強いところ。この恵まれた環境で、ものづくりの楽しさを味わいながら、塗装職人としてもっともっと成長していきたいです。